〈梶原吉広のシンガポール観光ガイド①〉
シンガポールを象徴する建築、アートサイエンス・ミュージアムの見どころ

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私、梶原吉広がシンガポールで暮らし始めて気づいたことのひとつが、マリーナベイエリアには何度訪れても飽きない場所があるということです。

その代表格がアートサイエンス・ミュージアム。観光客はもちろん、在住者にとっても特別な場所で、私も何度か足を運んでいる。

この建物は単なる美術館ではありません。

アートと科学、テクノロジーと文化が交差する場所として設計されており、その建築デザインから展示内容まで、随所にシンガポールらしい先進性が詰まっている。

建物そのものが作品:蓮の花の設計に込められた意味

アートサイエンス・ミュージアムの外観を初めて見た人は、その独特のフォルムに驚く。

10枚の花びらが広がるような白い構造物は、蓮の花をモチーフにしている。

設計はマリーナベイ・サンズ本体と同じモシェ・サフディで、2011年2月の開館以来、湾岸の景色の主役のひとつになっている。

この建物には実用的な仕掛けもある。屋根で集めた雨水は捨てずに館内のトイレなど非飲用の用途に再利用されている。

雨の多いシンガポールらしい、環境にやさしい設計だ。雨季のスコールが多いシンガポールで、雨水を資源として活用するという発想は、この国の実用主義と環境意識を象徴している。

在住者の目線で言うと、この建物は「晴れた日に外から眺める」のと「中に入る」のとで、まったく異なる体験ができる場所です。

外から見れば湾岸の景色に溶け込む彫刻のようで、中に入れば光と映像の別世界が広がる。

チームラボとの出会い:日本発のデジタルアートが世界へ

アートサイエンス・ミュージアムを語るうえで外せないのが、日本のアート集団チームラボとのコラボレーションだ。

チームラボはプログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、あらゆる分野のスペシャリストで構成されるウルトラテクノロジスト集団です。(既に有名ですが)

彼らの生み出したデジタル芸術が、2016年3月12日よりアートサイエンス・ミュージアムにて常設展示されることになりました。

これはチームラボにとって初の海外常設展示でした。

つまりシンガポールは、チームラボが世界へ飛び出した最初の拠点なのです。

日本国内では豊洲や大阪などに常設施設が誕生したのはその後のことで、シンガポールのアートサイエンス・ミュージアムがチームラボの国際的な認知を大きく押し上げたと言っても過言ではありません。

在住者としてこの事実を知ったとき、シンガポールというシティが持つ「新しいものを最初に受け入れる土壌」を改めて感じました。

文化的な多様性と経済的な開放性が、こうした先進的な試みを可能にしているのだと思う。

常設展「Future World」の体験

チームラボによる常設展の名称は「teamLab Future World:Where Art Meets Science」だ。

アートサイエンス・ミュージアムとチームラボが共同で創り上げたこの展示は、大規模なアートインスタレーションとインタラクティブなプロジェクトで構成されており、来場者が楽しみ、遊び、探求するだけでなく、自然界や他者、そして宇宙に対する自分自身の立ち位置について深く考える機会を提供している。

展示は「City in Nature」と「Exploring New Frontiers」の2つのセクションで構成されており、最先端の科学技術を駆使して常に変化し進化する環境を作り出している。

特筆すべきは、展示される映像がすべてリアルタイムで生成されているという点だ。あらかじめ録画された映像を流しているのではなく、コンピューターがその瞬間に描き続けているため、同じ映像は二度と存在しない。

来場者が動くたびに、触れるたびに、作品が反応して変化する。「見る」アートではなく「参加して完成させる」アートという体験は、従来の美術館の概念を根底から変えるものなのだ。

在住者目線でのおすすめの楽しみ方

観光客と在住者では、この場所の楽しみ方が少し異なると思います。

観光で訪れる場合は時間が限られるため、チームラボの常設展を中心に回ることが多い。

一方、在住者は時期ごとに開催される特別展も楽しめるという特権がある。

過去にはタイタニック展、ハリー・ポッター展、ゴッホ・アライブなどの大型企画展が開催されており、何が開催中かは公式サイトで確認できる。

またシンガポール居住者には割引料金が設定されている。在住者証明があれば通常より安く入場できるため、気軽に何度も訪れやすい。

タイミングとしては、平日の午前中が比較的空いていておすすめです。

週末や祝日は家族連れや観光客で混雑するため、展示をゆっくり楽しみたいなら時間帯の選び方も重要になります。

シンガポールの「今」を体感できる場所

アートサイエンス・ミュージアムは、シンガポールという都市国家が持つ独特の哲学を体現している場所だと思う。

アジアの金融センターとして知られるこの国が、アートとテクノロジーの融合という分野でも世界をリードしようとしている姿勢が、この美術館には凝縮されている。

チームラボの常設展示を世界で最初に受け入れたことも、その姿勢の表れだと感じます。

新しい価値観や表現を積極的に取り込み、世界に発信する。シンガポールに住んでいると、この国のそうした開放性に何度も驚かされる。

マリーナベイエリアを訪れる機会があれば、外観だけで終わらせずにぜひ中に入ってほしい。

シンガポールに現在住む人間、梶原吉広が自信を持っておすすめできる場所なのです。

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